不動産用語集

用語の頭文字

あ行

IHクッキングヒーター

IHクッキングヒーター

IHとは、Induction Heaterの頭文字を取ったもので、「電磁誘導加熱器」という意味である。

IHクッキングヒーターは、トッププレート(結晶化ガラスなどの板)の下に、磁力発生用コイルを敷いたものである。
トッププレート上に鉄製の鍋を置いた状態でコイルに電流を流すと、電磁誘導により鍋底に電気抵抗が生じ、電気抵抗により鍋底が加熱される。

このような原理により鍋底全体を直接加熱するので、周囲の空気へ熱が逃げにくく、熱効率が80%以上と高いという特長がある。 2キロワットのタイプのIHクッキングヒーターは、4,000キロカロリーのハイカロリーバーナーに近い火力を持つとされている。

ただし電磁誘導により加熱を行なうため、磁力の影響を受けやすい調理器具(鉄製のフライパン、鉄鍋、18-0のステンレス鍋、鉄ホーロー鍋など)を使用する必要がある。アルミ鍋、銅鍋、土鍋、耐熱ガラス鍋などは使用することができない。また、鍋底が平らでない鍋(中華鍋など)も使用できない。

このため、アルミ鍋・銅鍋・超耐熱ガラス鍋などが使用できるクイックラジエントヒーターとIHクッキングヒーターを組み合わせたタイプの調理用ヒーターが開発され、普及しつつある(詳しくはラジエントヒーターへ)。

またIHクッキングヒーターを使用するには、家庭内の分電盤において、IHクッキングヒーターだけに使用する200Vの専用回路を設置する必要がある(ただし予備の回路がある場合、その回路を利用できる)。

IT重説

不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を利用して対面以外の方法で行なうこと。宅地建物取引業法が定めている重要事項説明における対面原則の例外である。

IT重説の導入に当たっては、関係書類を十分に確認できること、双方向で確実にやりとりができること、宅地建物取引士が実際に説明することなどの要件を満たすとともに、消費者が不利益を被らないよう措置する必要がある。そのための条件等について検討・検証が進められ、不動産の賃借に当たっての重要事項説明に限って、一定の条件を満たす場合に、IT重説を対面による説明と同様なものとして認める運用がなされている。

アトリウム

もともとはローマ時代の中庭や中庭付きの大広間のことだが、現代ではグリーンや池などを設け、人工的な自然環境をつくり出す、建物に囲まれた中庭、吹抜けなどの内部空間を指す。

アパート

英語の「アパートメント(apartment)」を略した言葉。
わが国では1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造木造または軽量鉄骨構造のものを一般的に指している。

しかし最近では2階建ての共同住宅であっても、重量鉄骨構造のものがあり、また外壁・内壁も軽量気泡コンクリートパネル等としているものもある。

このため、マンションとアパートの外観上・構造上の区別がつきにくくなってきている。

アパート経営

居住用建物の全部を所有し賃貸する事業をいう。不動産投資として実施されることがある。

アパート経営は不動産賃貸業であるから、事業を行なうことについては宅地建物取引業法の適用はない。ただし、アパート経営の仲介、アパート経営者の委任を受けて行なう賃借人の募集などの業務については、同法の適用がある。

なお、建物の全部ではなく、マンションの一室などを所有して賃貸する事業は「マンション経営」という。

雨戸

家の外回りに設置される窓のない戸。風雨の吹込み防止や防犯のために用いられる。

雨どい

屋根面を流れる雨水を地上や下水に導くための溝形や管状の部材のこと。

いわば雨の道で、横方向に流す軒樋(のきどい)、谷樋(たにどい)、縦方向に導くための竪樋(たてどい)、横樋(よこどい)と竪樋をつなぐ呼樋(よびどい)(形状が似ているので鮟鱇=あんこう、ともいう)などがある。

ちなみに、ボーリング競技でいう「ガータ」は、英語で雨どいのこと。

アルコーブ

マンションにおいて、共用廊下から数m離れた位置に玄関扉を置いた造りのこと。

あんこう

軒どい(軒下に水平に設置する樋)と竪どい(軒下から地面まで垂直に設置する樋)とを繋ぐ部分をいう。「呼びどい」も同じ意味である。

その形が魚のアンコウ(鮟鱇)に似ているところから名付けられた。

RC

「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。

この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。

意思能力

法律行為を行なったときに、自己の権利や義務がどのように変動するかを理解するだけの精神能力のこと。民法上明文の規定はないが、このような意思能力を持たない者(=意思無能力者)の行なった法律行為は無効とされている(判例)。
意思無能力者とは、具体的には小学校低学年以下に相当する精神能力しか持たない者と考えられる。
通常、法律行為が無効であれば、その無効は契約等の当事者の誰からでも主張することが可能とされており、意思無能力者の行なった法律行為も同様である。

ただし、意思無能力者の法律行為が無効とされるのは、意思無能力者を保護する趣旨であるので、意思無能力者が無効を主張しない場合(契約等の効力の存続を希望する場合)には、契約等の相手方から無効を主張することは許されない、とする有力な学説がある。

意思無能力者

意思能力を持たない人のこと。

位置指定道路

特定行政庁から道路位置指定を受けた私道を、一般に「位置指定道路」と呼んでいる(建築基準法第42条第1項第5号)。

位置指定道路は「建築基準法上の道路」であるので、位置指定道路に面する土地では、建築物建築することができる。

一般媒介契約

媒介契約の一つの類型。
一般媒介契約とは、次の1.および2.の特徴を持つ媒介契約のことである。

1.依頼者(すなわち売主等のこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。
2.依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則的に自由である。

なお、依頼者が、「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて依頼する場合において、その「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に通知するかどうかにより、一般媒介契約はさらに次の2つの類型に分かれる。

1)明示型の一般媒介契約
明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知する義務があるとする媒介契約である。
2)非明示型の一般媒介契約
非明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知しなくてよいとする媒介契約である。

移転登記

所有権移転登記のこと。

所有権移転登記とは、不動産の売買取引において、不動産の所有権が売主から買主に移転したことを公示するための登記である。

委任契約

民法上の典型契約の一つで、法律行為の実施を委託する契約をいう。労務供給契約であるが、雇用契約と違い受任者の裁量で実施すること、請負契約と異なり結果の完成が必須ではないことに特徴がある。

宅地建物取引業における媒介契約は法律行為の実施を委任するものではないから民法上の委任契約ではないが、準委任契約として委任契約の規定(民法643~655条)が適用されることとなる。ただしその適用においては、特別法である宅地建物取引業法の規定が優先する。

委任状

一定の事項を特定の者に委任する旨を記載した書面。委任する事項(委任事項)、委任する相手(受任者名)などを記載する。

委任状がなくても委任契約は有効だが、受任者が委任事項(例えば各種の申請手続)を実施する場合に委任状の提示を求められることがある。この場合には、委任状の発行が直近(通例は3ヵ月以内)でなければならないとされることが多い。

委任状には、委任の意思を表示するべく委任者が自署しなければならない。また、委任は多くの場合に代理権の授与を伴うが、このときには、委任状はその証拠となる。

なお、委任事項、受任者名などを記載せず、その白地部分の補充を他者に任せた委任状(これを「白紙委任状」という)を発行することがある。この場合には、白地が補充されたときに委任状の効力が発生する。ただし、補充権のない者が補充する、補充者が権限を濫用するなどの恐れがあり、白紙委任状の発行については、その是非を含めて十分な注意が必要である。

居抜き

店舗や工場などを、その内部の商品、設備、什器備品などを設置したままの状態で売買・賃貸すること。

従って、居抜きで購入もしくは借りた場合は、以前のままの内装や設計設備等が付帯するので、比較的早期で営業にこぎつけることができる。

違約金

不動産売買契約では、当事者の一方が債務を履行しない場合には、債務の履行を確保するために、その債務を履行しない当事者が他方の当事者に対して、一定額の金銭を支払わなければならないと定めることがある。
このような金銭を「違約金」と呼んでいる。

「違約金」と「損害賠償額の予定」とは、債務を履行しない当事者が支払う金銭という意味ではよく似た概念である。
しかし「違約金」は、実際に損害が発生しない場合でも支払いの義務が生じるという点で、「損害賠償額の予定」とは大きく異なっている。

ただし実際の売買契約においては、「違約金」という言葉を「損害賠償額の予定」と同じ意味で使用していることも多い。
さらに民法(第420条)では、違約金という言葉の意味について、売買契約書でその意味を明示していない場合には、違約金は「損害賠償額の予定」の意味であるものと一応推定されると定めている。

このように「違約金」は、「損害賠償額の予定」と同じ意味であると解釈されるケースも実際には多いのである。
そのため売買契約書において本来の意味での「違約金」を定める場合には、その意味を明記しておくことが望ましいといえる。

なお、宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者売主となる宅地建物の売買契約においては、「損害賠償額の予定」と「違約金」との合計額は売買代金の2割を超えてはならないと定めている(宅地建物取引業法第38条)。

これは売買取引に精通していない一般の買主が不利にならないように特に保護している強行規定である。
宅地建物取引業者同士の売買取引については、この宅地建物取引業法第38条は適用されない。

印鑑証明書

捺印された印影(印を紙などに押した跡のかたち)が、あらかじめ届けられた印影(印鑑)と同一であることを証明する官公署の書面。届出できる印鑑は一つに限られている。

公正証書の作成、不動産登記、重要な契約などの際に、文書作成者が本人であることを証明するため必要とされる場合が多い。

印鑑証明書の交付は、個人の印鑑については、通常、市区町村長が条例等に従って行なうが、商業登記に当たって提出した印鑑については登記所が担当する。 

印鑑届けをした印影を生む印が「実印」である。

印鑑証明・会社の

株式会社・有限会社等の法人が、売買等の契約を行なう場合には、契約書に代表者印を押印するのが通例である。

このような代表者印について、その代表者印が、登記所に対して印鑑届けを行なった正式なものであるということを、登記所が公的に証明した書面のことを「印鑑証明」と呼んでいる。

印鑑証明・個人の

個人があらかじめ市区町村役所において印鑑登録を行なった実印について、その実印が印鑑登録された正式なものであるということを、市区町村長が公的に証明した書面のことを「印鑑証明」と呼んでいる。

印紙税

契約書、受取書、証書、通帳などを作成する際に課税される税金。国税である。

印紙税は、印紙税法に定められている20種類の文書(課税文書)に対して課税される。例えば、不動産売買契約書、建築工事請負契約書、土地賃貸借契約書、代金領収書などは課税文書であるが、建物賃貸借契約書や不動産媒介契約書は課税文書ではない。

納付方法は、課税対象となる文書に収入印紙を貼り、その収入印紙に消印を押すことによって納税が完了する。この場合に、契約等において両当事者が文書を2通作成するときにはその2通についてそれぞれ印紙税を納付しなければならない。

印紙税を納めなかった場合には、印紙そのものを貼付しないときは納付すべき金額の3倍(自ら申告したときは1.1倍)、消印をしないときは消印をしない印紙と同額の「過怠税」が課税される。

印紙税額は、文書の種類および文書に記載された契約金額等に応じて定められている。

なお、不動産の譲渡に関する契約書および建設工事の請負に関する契約書については、税率の引き下げが措置されている。ただし、この特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。

インスペクション

住宅インスペクション」を参照。

インスペクター

建物の状況を検査・調査すること(建物の住宅インスペクション)に関する専門的な知識・技能を有すると認められた者。英語のInspectorであるが、英語では建物の検査・調査を行なう者に限定せず広く“検査官”を意味している。

(日本における)インスペクターは通称であって公的な資格ではないが、一般に、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に基づく一定の講習等を履修して住宅インスペクションを実施できる者を指している。そのための講習等は、各種の団体が実施している。

また、2017年2月に「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」が制定され、国土交通大臣が登録した機関によって「既存住宅状況調査技術者講習」を実施する仕組みが制度化された。この講習は住宅のインスペクションに関するものであり、これを修了した「既存住宅状況調査技術者」もインスペクターである。

なお、宅地建物取引業法に基づき、宅建業者は、
1)既存住宅の媒介契約に当たって交付する書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しなければならず、
2)重要事項説明に当たって、建物状況調査に実施の有無及びその結果の概要を説明しなければならない
とされているが(2018年4月1日から適用)、この場合の建物状況調査に当たるインスペクターは、建築士または国土交通大臣が定める講習を修了した者でなければならない。

ウォークインクローゼット

ウォークイン、つまり歩いて入れるクローゼット、衣類の押入のこと。衣装ダンス、衣裳戸棚を指すワードローブは家具のニュアンスが強いのに対して、ウォークインクローゼットは造り付け家具、ないし部屋の意味に使われることが多い。

WIC

請負契約

当事者の一方がある仕事を完成することを、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことをそれぞれ約束する契約。例えば、住宅の建築工事、洋服の仕立て、物品の運搬などの契約がこれに該当する。

請負契約の目的は、仕事の完成であって労務の供給ではないから、仕事の目的物が定まっていて、通常は、目的物を引き渡すことで仕事が完成する。

請負契約については民法に一般的な規定がある。また、たとえば建設工事の契約に関しては建設業法、運送契約については商法等のような特別法の適用がある。

民法は、
1)請負契約による報酬は目的物の引渡しと同時に支払わなければならないこと
2)引き渡した目的物が契約不適合の場合には、注文者は、補修等の追完請求報酬減額請求損害賠償請求、契約解除をすることができること(ただし、与えた指図等によって生じた不適合を理由にすることはできない)
3)契約不適合による請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内にその事実を通知しなければならないこと
4)請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除できること
などを定めている。

なお、民法には、請負人の担保責任の存続期間について特別の定めがあったが、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって削除された。ただし、住宅の新築工事の請負に関しては、特定の部位についての契約不適合責任の存続期間は10年とされている(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。

内金

内金とは、売買契約が成立した後に、売買代金の一部として買主から売主へ交付される金銭のこと。

手付が売買契約が成立する際に交付されるのに対して、内金は契約成立後に交付されるという違いがある。

また、手付は契約の義務が履行されれば代金に充当されるのに対して、内金は交付される時点ですでに代金の一部である。

内法

建物床面積を測定する際に壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけを「床面積」とする考え方のことである。

不動産登記法では、分譲マンションなどの区分所有建物を登記する場合には、この内法の考え方で床面積を計算することとされている(不動産登記法施行令第8条)。

この反対に、建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のことを「壁心(へきしん・かべしん)」という。

ちなみに建築基準法では、建築確認を申請する際には、建物の床面積はこの壁心の考え方で測定することとしている(建築基準法施行令2条1項3号)。

従って、分譲マンションなどの区分所有建物については、建築確認を申請する際には床面積を「壁心」で求めるが、その後に登記をする際には床面積を「内法」で求めているのである。

ウッドデッキ

庭の一部に設けられた木製の床で、居間等と連続した造りになっているものを「ウッドデッキ(木の甲板)」という。

売建住宅

開発した宅地を分譲する際に、同時に宅地の購入者がその宅地に建設する住宅を分譲事業者に発注する方法で建てられた住宅をいう。

建売住宅」の建築主は不動産会社であるのに対して、「売建住宅」の建築主は宅地の購入者である。建売住宅に比べて設計などの自由度は高いが、建築を請け負う業者はあらかじめ決められている他、用意された建物の設計モデルから選択して発注することが多い。

なお、宅地分譲の方法は、大きく、宅地のみの分譲(更地分譲)と住宅付の分譲(建売分譲)に分かれるが、売建住宅はその実態を照らせば後者の類型に近いと考えてよい。また、宅地分譲の際に一定期間内に住宅を建設することを条件とする方法(建築条件付宅地分譲)があるが、売建住宅はこの方法の一つでもある。

売主

不動産売買契約において、不動産を売る人(または法人)を「売主」という。

また不動産広告においては、取引態様の一つとして「売主」という用語が使用される。

この取引態様としての「売主」とは、取引される不動産の所有者(または不動産を転売する権限を有する者)のことである。

売り主の瑕疵担保責任・品確法における

売買契約によって引き渡した目的物(たとえば、販売した住宅)が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主が負うこととなる責任。民法の規定による契約不適合責任のひとつで、これを「瑕疵担保責任」という。

売り主に契約不適合責任を負わせるためには、買い主は、追完請求(補修等の実施を求める請求)、代金減額請求損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。

民法は、契約不適合責任を負わせるためには、買い主は、原則として契約不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならないとしている。ただし、売り主が不適合を知っていたときまたは重大な過失によって知らなかったときはその限りではないとされている。

また、売り主は、知りながら告げなかった事実等についての契約不適合責任については免れることができないが、それ以外の事由による契約不適合については責任を負わない旨の特約をすることが認められている。

しかしながら、住宅の品質を確保するため、新築住宅の工事請負契約については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、契約不適合責任(瑕疵担保責任)について次のような特例が定められている。
(1)新築住宅の「構造耐力上主要な部分」及び「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合(瑕疵)について、売り主は、注文者に住宅を引き渡した時から10年間、契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負う。
(2)契約によって、(1)の瑕疵担保期間を20年以内に延長することができる。

この特例は強行規定であり、特約によって責任を免れることはできない。

なお、民法には、売り主の瑕疵担保責任について特別の規定があったが、民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)によって削除され、契約不適合責任に統合・整理された。

売渡証書

不動産売買契約の内容を簡潔に要約した書面のことを「売渡証書」という。

この売渡証書は、売主または買主からの依頼により、登記手続きを担当する司法書士が不動産売買契約書をもとにして作成するのが一般的である。
売渡証書の記載内容は「売主の住所氏名」「買主の住所氏名」「売買される不動産の概要」である。
この売渡証書は「所有権移転登記の原因を証する書面」として、所有権移転登記を申請する際に、登記所に提出される。

売渡承諾書

不動産の売買において、当該物件を売り渡す意思があることを表明する書面で、売主が買い受け希望者に対して交付する。書面には、売り渡し価格や売渡条件等が記載されている。

売渡承諾書は契約締結が可能である旨を表明するものであって、契約に至る過程で交わされる確認等のための文書に過ぎず、それを交付しても契約の申し込みや承諾の効果はないとされている。

ただし、売渡承諾書の交付によって一定の信頼関係が形成されることとなるので、売渡承諾書を交付したにもかかわらず合理性に欠ける理由等で契約に至らなかった場合には、信義則に反するとされることがある。

上物

土地の上に建物が存在しているとき、この建物を「上物」と呼ぶ。

なお、不動産広告においては、土地の上に家屋が存在する場合について「上物あり」と表現することがある。

上物が老朽化している等の理由で上物の価値が非常に低いと考えられるような場合には、不動産広告では「古家あり」または「廃屋あり」と表現するのが望ましいとされている(不動産の表示に関する公正競争規約第10条施行規則3条4号)。

エクステリア

本来は、建物の外観や建物の外壁を指す言葉であるが、わが国の不動産業界・建築業界では、建物の外周りに設置される工作物等を総称して「エクステリア」と呼んでいる。

具体的には、住宅の場合でいえば、門扉、塀、生垣、庭、カーポートなどのことである。

エコキュート

ヒートポンプ(熱媒体の圧縮・膨張サイクルによって低温の熱を高温に移す技術)を利用して、大気の熱で湯を沸かして給湯する機器。エコキュートという名前は「エコ」と「給湯」をつないだ統一商品名である。

熱媒体を圧縮するための動力源として電力を使うが、発熱のためのエネルギーとしては電力を利用しないため、水を直接に熱して給湯する場合と比べてランニングコストが小さく、環境負荷も少ないとされている。

エコハウス

環境への負荷を抑えるための対策を講じた住宅のこと。
対策の目標は、省エネルギーや再生可能エネルギーの使用、資源の再利用、廃棄物の削減などであり、具体的には、屋上緑化や雨水の再利用、太陽光・風力エネルギーの利用、ゴミの減量などが実施される。

その基準として、例えば(一財)建築環境・省エネルギー機構が定めた「環境共生住宅認定基準」があるが、この基準では、環境負荷の抑制だけでなく、バリアフリー化や室内の空気質の維持(シックハウス対策)なども要求されている。

SRC

「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。

鉄筋コンクリートに、鉄骨を内蔵させた建築構造
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。

エスクロー・Escrow

取引の際に、売り手と買い手の間に信頼を置ける中立な第三者を仲介させること、またはそのサービスをいう。

不動産取引の安全を確保するためにアメリカで発達した仕組みであり、最近は電子商取引の決済においても活用されている。

不動産取引の場合には、エスクローサービスを提供する第三者は、売り手からは権利証書等を、買い手からは代金を寄託され、物件の確認、決済、登記、引渡しなどの業務に当たる。もっとも、日本ではあまり広まっていない。取引当事者間に信頼感があること、宅地建物取引業者が包括的なサービスを提供していることなどの事情によるものと考えられる。

S造

Sは「Steel」のことであり、「鉄骨構造」という意味である。
鉄骨造とも。

柱とを「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。

主要な構造を形成する鉄骨の種類により「軽量鉄骨構造」と「重量鉄骨構造」に分けることができる。

エネファーム

都市ガスLPガスから取り出した水素を空気中の酸素と反応させて発電し、そのときに発生する排熱で湯を沸かす設備。発電と給湯とを同時に行う仕組みで、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」とも言う。エネファームという名前は「エネルギー」と「ファーム(農場)」を合成した統一商品名である。

送電ロスが生じないことや排熱を利用することからエネルギー効率が高い。一方、設置費用は高額である。また、ガスを原料としているため、自然エネルギーによる発電と違い環境負荷が皆無とは言えない。

LDK

「リビング・ダイニング・キッチン」のこと。
リビングは「居室」、ダイニングは「食事室」、キッチンは「台所」であり、リビング・ダイニング・キッチンは「居室兼食事室兼台所」という意味である。

不動産広告を規制している「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」では、広告中に「LDK」と表示する場合には、「居室兼食事室兼台所」として使用できるだけの広さと機能を備えていることが必要であるとしている(不動産の表示に関する公正競争規約第15条第25号)。

この場合に、最低必要なLDKの広さの目安は、居室(寝室)数が1部屋のときには8畳、2部屋以上のときには10畳以上とされている。

エントランス

建物の入り口や玄関のこと。マンションや商業ビルでは、その建物の印象に強い影響を及ぼすことが多い。

ALC

「Autoclaved Light Weight Concrete」の頭文字を取ったもの。日本語では「軽量気泡コンクリート」と表記される。

「軽量気泡コンクリート」は、工場でセメント等に発泡剤を混ぜて、高温高圧の状態で養生したコンクリートである。その特長として軽量にもかかわらず強度があり、耐火性や遮音性にも優れていることが挙げられる。

ALC造

ALC造とは、 ALC製のパネルを使用した建築構造のことである。

以前は高級戸建住宅の外壁や間仕切りをALCとすることが多かったが、最近では賃貸マンションにもALC造が多用されるようになった。

ADSL

通常のアナログ固定電話回線を使用して高速で通信する技術をいう。

Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)の略。

通信の方向(上りか下りか)によって通信速度を変えることで通信速度の高速化を実現する手法であり、アナログ通信線にデジタル情報を乗せる方法を取るため特別の配線工事を必要としない。インターネットの利用においては、サイトからのダウンロード(下り)需要のほうが格段に大きいので、ADSLを活用すれば、画像等の大容量データの取り込み時間を容易に短縮できる。

ADSLを活用した商業用サービスは、日本では1999年に開始され、2001年に急速に普及した。この年をブロードバンド元年というのはそれゆえである。

一方、通信線として光ファイバーを利用する技術(光通信)は、ADSLよりもより高速で安定した通信を可能とするが、敷設のための配線工事が必要であることから、しばらくの間はADSLと光通信との併存が続くと予想されている(08年3月には、光通信加入世帯数がADSL回線加入世帯数を上回るに至った)。

追いだき

追い焚き、追焚きとも。

風呂の湯の温度が時間の経過や入浴により低下したときに、温度を上げるために風呂の湯を再度加熱することを「追いだき」という。

かつては手動で追いだきを行なっていたが、近年はオートタイプのガス風呂給湯器やオートタイプの電気温水器が登場したことにより、自動的に追いだきを行なうことができるようになった。

屋上防水工事

建物屋上の雨漏りを防ぐ工事をいう。

屋上防水の方法には、大きく、
)防水塗料を塗る方法(塗膜防水):ウレタン防水、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)防水
)防水シートを貼る方法(シート防水):ゴムシート防水、塩化ビニールシート防水
)アスファルトを含んだ不燃布等を重ねあわせて接着する方法(アスファルト防水)

がある。防水方法は、屋根の形状や施工条件に応じて選択する。

屋上緑化

樹木・植物などを建造物の屋上に設置し、緑化すること。

近年ではヒートアイランド現象を緩和するために屋上緑化が非常に有効であることが認識されるようになってきた。

このため国では、2001(平成13)年8月より「都市緑地法」を改正・施行し、「緑化施設整備計画認定制度」を創設している。
この制度は、一定の要件を満たす樹木・植物などを屋上等に設置する場合には、固定資産税を軽減するというものである。

また東京都では、2001(平成13)年4月より東京都自然保護条例を改正・施行し、1,000平方メートル以上の敷地面積の民有地において、建築物等を新築・増築する者に対して、地上部の空地部分の20%と屋上の利用可能部分の20%を緑化することを義務化している。

押入れ

部屋の一部分をふすま、または戸で仕切った空間で、寝具、衣服等の生活用品を収納する場所。英語の「closet(クローゼット)」も同じ意味で使われる。

汚染土壌の掘削による土壌汚染の除去とは

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合、または土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。
汚染土壌を掘削し、その場所に掘削した汚染土壌以外の汚染されていない土壌を埋め戻す。また、掘削した汚染土壌から特定有害物質を除去した土壌を埋め戻してもよい(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

乙区

登記記録において、不動産所有権以外の権利に関する事項を記載した部分のこと。

この乙区に記載される登記には「抵当権設定登記」「地役権設定登記」「賃借権設定登記」などがある。

踊り場

階段の途中に設けられた踏面の広い段のこと。階段を昇降するときの危険防止と小休止のために設ける。また、階段の方向を変えるときにも付ける。

幅と奥行き、段の高さの最大・最小寸法については、建築基準法で決められている。

オプション

選択の自由があること。英語のoption。一般に、標準的な装備に追加する付属品やサービスをいうことが多い。

また、金融においては、目的物を一定の期期間後に一定の価格で取引する権利をさす用語として使われている。

親子ドア

広いドアと狭いドアの二面で構成されている両開きのドア。通常は狭いドア(子ドア)を閉めたまま広いドア(親ドア)のみを使って出入りし、必要に応じて子ドアも開放して広い間口とすることができる。

なお、かたちは親子ドアに似ているが、子ドアを開かないように固定したドアを「片袖」という。

オルタナティブ投資

伝統的な資産以外に対する投資

伝統的な資産とされるのは上場株式や債券であるが、オルタナティブ投資は、
これら伝統的な資産と価格動向等が連動しない資産に対する投資であり、リスクの分散、収益パターンの多様化、ハイリスク・ハイリターンなどのニーズに応えるべく発達してきた。

オルタナティブ投資のかたちは多様で、農産物、鉱産物などの現物・先物取引、不動産投資、ファンドへの投資、金融派生商品(先物、オプション、スワップなど、デリバティブといわれる)の取引などがある。

温室効果ガス

人為的に排出され、地球温暖化の原因となると考えられている化学物質をいう。

京都議定書で排出量の削減対象として指定されているのは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCS)、パーフルオロカーボン類(PFCS)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類である(HFCS、PFCS、SF6を合わせてフッ素ガス類という)。

温室効果ガス排出の削減に当たって削減量を評価するときには、これら6種類のガスを、100年間にわたる温室効果の強さに応じて二酸化炭素に換算する。
その換算値(地球温暖化係数)は、二酸化炭素=1、メタン=25、亜酸化窒素=298、ハイドロフルオロカーボン類=124~1万4,800、パーフルオロカーボン類=7,390~1万2,200、六フッ化硫黄=2万2,800である。

換算評価すると、6種類の温室効果ガスの中で地球温暖化に対する寄与が最も大きいのは二酸化炭素である。
排出量のシェアは、二酸化炭素76.7%(うち56.6%分は化石燃料からの排出)、メタン14.3%、亜酸化窒素7.9%、フッ素ガス類1.1%である(2004年、IPCCによる)。

温水洗浄便座

温水を噴出して肛門等を洗浄する機能のある便座。洗浄強度の調整のほか、乾燥や脱臭などの機能が付加されている場合もある。

「ウォシュレット」「シャワートイレ」などの商標があり、これらの商標で呼ばれることも多い。

温水ルームヒーター

温水の熱を利用した暖房器具のひとつで、屋外のガスボイラー(ガス給湯器)で温水をつくり、それをコンセント接続によって室内の器具に導いて空気を暖める器具をいう。

温水を利用した暖房方式には床暖房や温水パネルヒーターがあるが、それらは設備が固定され部屋全体を暖めるのに対して、温水ルームヒーターは器具を移動できる一方、暖房範囲は局所的である。

オンライン申請・不動産登記における

不動産登記を、インターネットを利用したオンラインで申請することをいう。

法律上の名称は「電子申請」。不動産登記法の改正(2005年3月施行)によって創設された申請方法である。

従来、不動産登記は、書面(または携帯型のディスク等)でのみ申請できること(書面主義)、権利の登記の申請は当事者または代理人(司法書士)が直接登記所に出頭すること(出頭主義)とされていたが、登記申請者の負担軽減等のためオンラインによる申請が新設されたのである。

オンライン申請では、法務省オンライン申請システムにユーザー登録をしている者(通常は司法書士)が、インターネットで法務省オンライン申請システムへ接続し、申請情報を送信する。この際セキュリティを確保するために、電子署名・電子認証の仕組みを利用し、なりすましやデータ改ざんを防止するようになっている。


※法務省オンライン申請システムの公式ガイド http://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/ 

OL・オープンエアリビング

リビングと連続していて一体的に使うことのできるバルコニー。Open air Livingの略語だが和製英語である。

オープンエアリビングとリビングとのあいだは、一般に、折り戸式全開口サッシによって仕切られていて、サッシを開けば両方の空間が一体化する。

オートバス

自動的に給湯する機能を備えた浴槽。和製英語である。

湯量、湯温などを設定しておけば、給湯の開始をボタンなどで指示するだけで設定どおりに給湯される。この場合、自動的に追い焚きする機能を備えたものを「フルオートバス」、追い焚きのためには別途の指示が必要なものを「セミオートバス」という。

なお、オートバスであっても浴槽の栓は自動的に開閉しない。

オートライト

自動的に点灯・消灯する照明装置。玄関灯、廊下灯、庭園灯などに使われている。automaticとlightを組み合わせた和製英語である。

オートライトの点灯・消灯は、センサーによって制御する。センサーは目的に応じて選択することになるが、その方式には、人が発する赤外線を感知するもの(人感センサー、人が近づくと点灯する)、明るさを感知するもの(光センサー、暗くなると点灯する)などがある。

なお、オートライトには自動車や自転車の前照灯の意味もあるが、これはautomobile lightの略語であって、住宅等に使われるオートライトとは異なる用語である。

オートロック

ドアを閉じると自動的に施錠するしくみ。和製英語で、英語ではautomatic door lock(オートマチック ドア ロック)が一般的。

マンションの出入口、ホテルの部屋などで使われている。

オーナーチェンジ

賃貸住宅の所有者が、賃借人が入居したままその建物を売却することをいう。

購入者は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用のワンルームマンションでよく使われる方法である。その際に、賃借人から預かっている敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要である。

オープンキッチン

居室・食事室と一体となっていて、部屋と仕切りがない調理スペースをいう。

間取りを広くとることができ、調理中にも居室とコミュニケーションを保つことができる一方、調理に伴う臭いなどが居室・食事室に波及することへの対応や、収納スペースの適切な確保が必要となる。

オープンスペース

大規模なビルやマンションに設けられる空地(くうち:敷地のうち建築物が建てられていない部分)であって、歩行者用通路や植栽などを整備した空間をオープンスペースという。また広い意味では、都市における公園・緑地・街路・河川敷・民有地の空地部分などの建築物に覆われていない空間を総称して「オープンスペース」と呼ぶ場合がある。

高層建築物による景観や生活環境の悪化に対する制度として、国では1961(昭和36)年に特定街区制度、1971(昭和46)年に総合設計制度を創設した。
これらの制度は、大規模なビルやマンションを建設する際に広い空地を確保し、その空地を一般の歩行者が自由に通行できる空間として利用することを推奨するものである。
特に後者の総合設計制度は、現在も広く活用されており、この制度によって設けられた一般公衆が自由に出入りできる空地は「公開空地」と呼ばれている。

近年では、大規模なビルやマンションにおいて、ヒートアイランド現象を緩和するために地上の空地部分の緑化が推進されており、また地方自治体の条例により良好なまち並みの形成が推進されている。

さらにビルやマンションの市場価値自体を高めるという目的のために、開発者が空地に歩行用通路・樹木・植栽・庭園・水路などを整備することが盛んになっている。
このようなさまざまな理由にもとづいて、大規模なビルやマンションの空地において、通路・植栽等を整備することが近年盛んになっている。こうした空地のことを一般に「オープンスペース」と呼んでいる。

オープンハウス

本来は、企業のオフィスや生産施設を、顧客・取引先・投資家に見学させて、企業に対する理解度を高めるという企業広報活動のこと。

不動産業界では、販売しようとする物件の内部を一定の期間、担当営業員が常駐して、買い希望客に公開するという販売促進活動を指す。

オール電化システム

住宅内の熱源、例えば冷暖房、給湯、調理などに必要な熱をすべて電気で賄うシステムをいう。

燃料の燃焼による有害物質や水蒸気が発生しないこと、火事の恐れが比較的小さいことなどが特徴とされる。

か行

買い換え特約

不動産の買主が、別の不動産を売却した代金をもって当該不動産の購入費用に充てることを「買い換え」という。

こうした買い換えでは、別の不動産の売却が不調に終わったときには、当該不動産の購入ができなくなるケースが多い。

そのため実際の不動産取引では、別の不動産の売却が不調に終わった場合には、買主は不動産を購入する契約を解除し、契約を白紙に戻すことができるという特約を盛り込むことがある。こうした特約を「買い換え特約」と呼んでいる。

「買い換え特約」は、買主が一定の場合に解除権を行使することを認める特約であるので、「買い換え特約」では次の事項を明記しておくのが望ましい。

1.買主に解除権が発生するための具体的な条件(どのような物件がいくらで、いつまでに売却できないときに買主に解除権が発生するのか)
2.買主が解除権を行使した際の売主の義務の内容(売主が契約締結時に受領した手付金や代金を返還するか否か)
3.買主が解除権を行使した際の買主の義務の内容(買主に損害賠償義務が存在しないこと等)

開発計画

狭義には開発許可の申請に当たって必要となる計画を、広義には不動産開発事業の計画をいう。

不動産開発事業を行なおうとする場合には、都市計画法による開発許可を得なければならない。その申請に当たっては、

1.開発区域の位置、区域および規模、2.予定される建築物または特定工作物の用途、3.開発行為に関する設計、4.工事施行者、5.設計の方針、土地利用や公共施設の整備計画、資金計画等を明確にした申請図書

が必要であるが、これらを示す図書が開発計画である。この計画によって、都市計画への適合、宅地造成の安全性、環境の保全、公共公益施設との調和などが判断される。

広い意味では、不動産開発事業の計画も開発計画である。その内容は、

1.市場調査などによる需要予測、2.開発予定地の自然的、社会的な条件の調査とその明確化、3.事業手法の確定、4.用地買収および工事の計画、5.資金計画、6.開発地の利便や魅力の向上策、7.価格設定および販売計画

など多岐にわたる。開発許可申請の際に必要な要素に加えて、事業の採算を確保するための計画が重要となる。このような計画は、開発事業のスケジュール、コスト、リスク、宅地や建物の品質を管理する基礎となる。    

家屋番号

不動産登記に当たって建物に付される番号。登記された建物を識別するための番号であって、不動産登記法に基づいて登記所が付す。建物の位置を示す住居表示とは異なるので、注意が必要である。

家屋番号は、原則として建物の敷地地番と同じ番号が付されるが、「◯番」というように番号のみが記され、地名は表示されていない。また、同じ地番に2つ以上の建物が登記された場合には、「◯番の◯」のように枝番号(支号)が付されている。

土地の分筆区画整理事業等によって地番が変更になった場合でも、付された家屋番号は変更されない。従って、敷地の地番とその敷地の上の建物の家屋番号とが異なることがある。

確認済証・建築確認制度における

建築計画が建築基準関係規定に適合すると確認された場合に交付される書類をいう。

確認は建築工事に着手する前に受けなければならず、確認済証は確認した建築主事が交付する。

宅地建物取引業務においては、工事完了前の建物の売買等について、確認済証の交付を受けた後等でなければその広告をしてはならないとされている。
なお、建築工事完成後には、建築物が建築基準関係規定に適合しているかどうかの検査を受けなければならず、検査により適合が認められたときに交付される書類が「検査済証」である。

家具・家電付き賃貸住宅

家具や家電が備えられている賃貸住宅をいう。入居に際して、家具や家電を自ら用意する必要がない。

備え付けられている家具・家電は、一般的に、ベッド、ソファ、ダイニングセット、カーテン、テレビ、照明器具、エアコン、電子レンジ、冷蔵庫などであるが、契約前に確認する必要がある。

家具・家電付き賃貸住宅は、入居に当たっての準備が大幅に軽減され、初期費用を押さえることができる。一方、家賃が高めであるほか、家具・家電の種類等を選択できないこと、新品でない場合が多いことなどに注意が必要である。

また、備え付けられた家具・家電が破損・故障した際の費用負担について確認しておく必要がある。通常、契約書に「付帯設備」として記載されているものについての修理・交換費用は、貸主が負担する。

火災保険

火災による損害を補填するための保険。

火災保険契約を締結すれば、住宅、家財、店舗、工場、事業用資機材等が火災によって消失、損傷した場合に、生じた損害に対して保険金が支払われる。

一般に、火災のほか、落雷、爆発、風災などによる損害についても補填するよう設計されている。ただし、地震によって発生する火災の損害は、火災保険ではなく地震保険(火災保険に付帯されることもある)によって補填される。

火災保険の保険期間は、一般に、生命保険に比べて短い。また、保険金(保険者が支払う金銭)は、生命保険と違って、原則として被保険者が現実に被った損害額に基づいて算定される。

瑕疵ある意思表示

「内心的効果意思」と「表示行為」は対応しており、一見正常な意思表示であるかのように見えるが、内心的効果意思を形成する際の「動機」に対して他人の強迫詐欺が関与しているもの。

いい換えれば、内心的効果意思の正常な形成が他人の強迫・詐欺により阻害されている意思表示のことである。瑕疵とは「きず」という意味である。
瑕疵ある意思表示には、強迫による意思表示詐欺による意思表示の2種類がある。

瑕疵担保責任

売買契約請負契約の履行において、引き渡された目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売り主・請負人が買い主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつで、目的物が特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)である場合の「契約不適合責任」と同義である。

瑕疵担保責任を負わせるためには、買い主・注文者は、売り主・請負人に対して、履行の追完請求(補修等の実施請求)、代金の減額請求報酬の減額請求損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。

なお、住宅の品質を確保するため、新築住宅の瑕疵担保責任について「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく特別の定めがある。詳しくは「売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)」及び「請負人の瑕疵担保責任(品確法における~)」を参照。

過失相殺

損害賠償額から過失相当分を差し引いて損害を負担することをいう。

賠償を受ける者にも過失がある場合に、負担を公平に行なうために適用される。

よく交通事故の損害賠償の際に問題となるが、これに限らず、債務不履行不法行為による損害賠償について一般的に考慮される。過失相殺の割合は、裁判で確定した事例をもとに判断されるが、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」が有名である。

貸主

不動産賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。

不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。

この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。

 貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。

 なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。

瑕疵保証

瑕疵が発見されたときにそれによって生じた損失を補填することを、あらかじめ約束すること。不動産に瑕疵があった場合には、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うのが原則であるが、それを補完するために、第三者が、瑕疵により発生した一定の損害を負担する仕組みがある。これが瑕疵保証である。

例えば、住宅の新築について工事請負人は引き渡しから10年間、住宅の構造耐力上主要な部分などについて瑕疵担保責任を負うが、住宅の性能を評価する制度を利用すれば、評価者がその瑕疵を保証する仕組みが用意されている。

課税取引

課税取引とは、消費税が課税される取引のことである。

本来、消費税はすべての取引に対して課税されるのが原則であるので、物品の販売やサービスの提供は原則的にすべて「課税取引」であるとされている。
しかし、税の性格や社会政策的配慮により消費税を課税しない取引が存在する。これは「非課税取引」と呼ばれている。

具体的には、不動産取引に関連して次のものは「非課税取引」とされている。

1.土地の販売における土地の対価
2.土地と建物を一体として販売する場合における土地部分の対価
3.借地権の譲渡の対価
4.住宅の賃貸借における家賃・共益費礼金更新料

注意
・不動産仲介手数料は、たとえ上記1.から4.に関する仲介であっても、課税対象である。
・施設の整備された駐車場の駐車料は課税対象である。
・住宅の賃貸借であっても、その賃貸期間が1ヵ月未満の短期である場合はその家賃は課税対象である。
・住宅の賃貸借において授受される敷金・保証金は預かり金であるので、課税対象とならない。
・住宅の賃貸借において授受される敷金・保証金のうち将来返還を予定しない部分(関西におけるいわゆる「敷引」など)は家賃と同様の扱いであり、非課税である。

課税標準額

課税において、課税金額を算出する上で基礎となる金額をいう。

税目に応じてそれぞれ一定の方法で算出される。

例えば、固定資産税については固定資産課税台帳に登録された不動産の価格(住宅用地等のように特例措置が適用されるときにはその適用後の価額)を、消費税については課税資産の譲渡等の対価の額(その譲渡等につき課されるべき消費税額および当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を控除したもの)を、それぞれ課税標準額としている。

家族信託

家族間で締結する信託契約。

例えば、親の住宅を子供に信託し、受益権を親が保有すれば、住宅の所有・管理は子供が行ない、親はその住宅に安定的に居住するという法的な関係が生まれる。この場合、信託行為に対しては贈与税は課税されない。また、相続の対象となるのは信託受益権である。信託契約において、受益権の管理処分の方法を指図することもできる。

なお、家族信託の要件、効力等は、信託法の一般的な定めによる。例えば、未成年者は受託者になれない、受託者は信託利益を享受することができない、信託財産は信託登記・登録をしないと第三者に対抗できないなどである。

可動間仕切り

移動可能な間仕切りのこと。
通常は、展示場や会議場などで使用されるスライド式のパーテーションのことを「可動間仕切り」と呼んでいる。

また最近、住宅で使用されることが多くなったアコーディオン式や引き戸式の間仕切りも「可動間仕切り」と呼ばれることがある(詳しくはフレックスウォールへ)。

角部屋

分譲マンション・賃貸マンション・アパートで、各階の廊下の端にある住戸、または廊下が屈折している場合にその屈折部にある住戸のこと。

各階の廊下の端にある部屋を「端部屋」、屈折部にある部屋を「角部屋」と呼んで区別することもあるが、通常は両者を合わせて「角部屋」と称している。
「角部屋」(端部屋を含む)は日照が良く、隣室の騒音の影響を受けにくいなどの利点があることが多いため、分譲価格・家賃において同じ階の通常の住戸よりも高いことが多い。

金物

建築材の接合部を結合し、補強するために取り付ける部品(その多くが金属製である)を総称して「金物」という。

金物には、くぎ、ボルト、短ざく、かね折り、プレート、アンカーボルトホールダウン金物などの多様な種類がある。

特に在来工法木造建築物では、建築物の安全性・耐震性を確保するために、「筋かいプレート」などの多種多様な金物の使用が必要不可欠である。

このため、国土交通省・農林水産省が設立する「財団法人日本住宅・木材技術センター」では、在来工法の木造建築物で使用する金物について、次のような厳格な認定制度を実施している。

1.Zマーク承認制度
(財)日本住宅・木材技術センターが開発した規格に基づく高品質な金物を製造する業者に「Zマーク(ゼットマーク)」の使用を承認する。

2.Zマーク同等認定制度
金物製造業者が開発した金物について、(公財)日本住宅・木材技術センターが同等認定試験を行ない、これに合格した高品質な金物について金物製造業者に「Zマーク同等認定」を付与する。

1.の金物は「Zマーク表示金物」、2.の金物は「Zマーク同等認定金物」と呼ばれている。
両者をまとめて「Zマーク金物」と呼ぶ。

なお、阪神大震災の教訓に基づき、建設省(現国土交通省)では平成12年に建築基準法を改正して、金物について厳しい基準を設けた。

この基準を定める「建設省告示第1460号」(2000(平成12)年6月1日施行)は、筋かいの端部の接合部などにおいては、事実上Zマーク表示金物またはZマーク同等認定金物(またはそれと同等以上の性能を有する金物)の使用を義務付けるような内容となっている。

壁紙

クロスを参照。

鴨居

住宅の開口部の上側にある横架材のこと。

通常は、障子・襖・引き戸・引違い戸などをはめ込む溝が2本彫られているが、溝のないもの(無目)、溝が1本のもの(一筋)などある。上部にあるのが鴨居、下部にあるのが敷居(鴫居という説もある)で、鴨という水鳥の名を付けているのは火難除けの願いからといわれている。

カラン・蛇口

給水管の先端に取り付けて、水の流出を制御する器具。通常、取っ手を回して水量を調節する。

なお、「カラン」はオランダ語。

仮差押

債権者が金銭債権を持っているとき、債務者が返済を滞納している等の事情があり、債務者の財産状況が著しく悪化していることが明らかである場合には、債権者は裁判所に対して、債務者の財産(不動産など)の売却等を一時的に禁止することを申請することができる。

裁判所がその申請に相当な理由があると認めた場合には、裁判所は債務者に対して、財産の売却等を当分の間行なわないよう命令する。この裁判所の命令を「仮差押」と呼んでいる。

債権者から見れば、「仮差押」によって債務者の財産を一時的に凍結することができることになる。

仮処分

処分禁止の仮処分のこと。

債権者が金銭債権を持っているとき、債務者の財産状況の悪化などの事情がある場合には、裁判所は債務者に対して、財産の売却等を当分の間行なわないよう命令することができる。
この裁判所の命令を「仮差押」と呼んでいる。

しかしながら、金銭債権以外の債権については、こうした仮差押を行なうことができないので、その代わりに「処分禁止の仮処分」が用意されている。

例えば、A氏が土地をB氏に売却したが、B氏が代金を支払ったにもかかわらず、A氏が土地の登記名義をB氏に移そうとしないというケースでは、B氏が登記名義を取得しない間に、A氏がその土地を第三者に売却してしまう可能性がある。
そこでB氏は、裁判所に対して、当該土地の第三者への売却を一時的に禁止するように申請することができる。

裁判所はB氏に相当な理由があると認めたならば、A氏に対して「処分禁止の仮処分」を命令することができる。
この「処分禁止の仮処分」が行なわれると、A氏は当該土地を第三者に売却することができなくなる(もし第三者に売却したとしても、B氏がA氏に対する裁判で勝訴した場合には、第三者はその土地の取得をB氏に主張することができなくなる)。

仮使用

一般建築物は建築後いつでも使用を開始することができ、またリフォーム等の工事をしている最中にも通常の使用を続けることができる。

しかし、特殊建築物等については、その避難設備(廊下・階段・出入口・消火設備・排煙設備等)に関係する工事を行なう場合や、建物を新築する場合には、原則として建築主事から「検査済証」を交付された後でなければ、建築物の使用を開始することができないとされている(建築基準法7条の6)。

これは特殊建築物等では、防災上特に配慮が必要なので、避難設備に関係する工事が進行中の時期や、避難設備そのものがまだできていない時期には、原則として人に使用させないということである。

ただし「検査済証」の交付の前であっても、次の2つのケースでは仮に使用が許される。

1.特定行政庁が防火上・安全上支障がないと認めて承認をした場合
2.建築主が工事完了検査を申し出てから7日間が経過した場合

仮登記担保

金銭債権を返済できない場合には、物を債権者に売却する(または物をもって弁済に代える)ことを債務者が約束し、そのことを仮登記しておくことを仮登記担保という。

例えば、登記の原因を「代物弁済予約」とし、登記の目的を「所有権移転請求権仮登記」として、仮登記を行ない、これによって金銭債権を担保するということである。

このような仮登記担保は、金銭債権が弁済されない場合に、債権者が物の所有権を取得することから、債権者の暴利行為を助長する恐れがある。そこで、1979(昭和54)年4月1日に仮登記担保法が施行され、金銭債務の額を物の価額が超える場合には、債権者はその超過部分を債務者に返還する必要があるとされた。こうして現在では、債権者の暴利行為が法律上禁止されている(仮登記担保法第3条)。

瓦葺き屋根

瓦で葺いた屋根をいう。耐火性、耐久性に優れている一方、加重が大きい。

瓦は本来粘土製であるが、金属瓦、セメント瓦、ガラス瓦、コンクリート瓦等が用いられることもある。

還元利回り

資産の収益から資産価格を算出する際に用いる利率をいう。

キャップレート(Cap Rate)」とも呼ばれる。
資産価値は、発生するであろう収益額を現在価値に割り戻して総計した額に等しいと考えられているが、このとき現在価値に割り戻すために用いる利率が還元利回りである。

その値は、資産の種類や条件によって異なるが、おおむね一般的住宅では5~7%、事業用は8~10%が目安とされている。逆に、資産価格と収益額が与えられれば還元利回りを求めることができるが、利回りが高いほど収益性が高いと判断してよい。

間接照明

人工照明の方式には大別して直接照明と間接照明があり、間接照明は壁や天井に光を反射させるもの。

直接光と比べ間接光は柔らかく、光が織りなす陰の演出でムーディな空間演出を可能にする。

換地計画

土地区画整理事業において、事業施行地区内の土地や土地に関する権利が、事業施行後にどのような姿となるかを定める計画をいう。

換地計画では、原則的には、事業前の各宅地に対して、事業によって整備された換地をそれぞれ交付するように定める。そのほか、換地に当たっての不均衡に対応するための金銭(清算金)の徴収・交付、公共用地の帰属、事業費に充てるための保留地などについても定められる。

換地計画において換地を定める場合には、原則として、換地および従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならないとされている(照応原則)。また、換地計画を定めようとする場合には、2週間公衆の縦覧に供するなどの手続きが必要である。

換地計画の効果は、工事が完了した後になされる換地処分によって生じるのが原則である。従って、事業完了前に換地予定地を利用する場合には、その土地を仮換地に指定して利用することとなる。

管理委託契約

管理組合がマンション管理会社に対して、分譲マンションの管理を委託する契約のこと。
このとき、マンション管理会社がマンション管理法に定める「マンション管理業者」であるならば、次のことを行なう義務がある。

1.マンション管理会社は、管理委託契約の締結前に一定の重要事項を説明しなければならない(マンション管理適正化法第72条)。
2.マンション管理会社は、管理委託契約を締結するときに、一定の事項を記載した書面(通常は管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならない(マンション管理適正化法第73条)。

管理規約

区分所有法にもとづいて設定される、区分所有建物における区分所有者相互間の関係を定めるための規則のこと。
区分所有法では単に「規約」と呼んでいるが、一般的には「管理規約」と呼ばれている。

区分所有建物では、区分所有者の権利関係が複雑であり、また区分所有者の共同の利益を害するような行為を排除する必要がある。このため、詳細な規則である「管理規約」を区分所有者自身が設定することが、区分所有法によって事実上義務付けられているのである。

管理規約を設けるためには、区分所有者の集会において、特別決議(区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上)により可決する必要がある(区分所有法第31条)。

管理規約で定めるべき事柄には、区分所有法上の制約は特にないので、区分所有者の意思によりさまざまな事項を定めることが可能である(区分所有法第30条)。
一般的には、次のような事柄について管理規約で定めることが多い(下記1.から7.は1997(平成9)年に建設省(現・国土交通省)が定めたガイドラインである「中高層共同住宅標準管理規約」から抜粋した)。

1.敷地建物、付属施設の範囲
2.共用部分の範囲
3.敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合
4.専用使用権の範囲
5.敷地利用権と専有部分の分離処分の可否
6.使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定
7.管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項


なお、管理規約は集会の特別決議で設定されるべきものであるが、次の4つの事項に限っては、マンション分譲業者が最初にマンションの全部を所有している時点において公正証書で定める場合に限り、集会を経ずに、マンション分譲業者が単独で管理規約を設定することができるとされている(区分所有法第32条)。

1.規約敷地
2.規約共用部分
3.敷地利用権の共有持分の割合
4.専有部分と敷地利用権の分離処分の可否

管理協定・雨水貯留施設の

民間が所有する雨水貯留施設について、それを公共下水道管理者が管理するために締結される協定をいう。下水道法で定められている制度である。

管理協定は、著しい浸水被害が発生するおそれがある区域であって、公共下水道の整備のみによっては浸水被害の防止が難しい区域(浸水被害対策区域、条例で指定される)の中に存するまたは建設予定の雨水貯留施設を対象として締結され、公示される。また、その効力は公示後に当該施設の所有者等になった者にも及ぶ(承継効)。

管理協定の承継効は、その対象となる雨水貯留施設が含まれる宅地建物についての法令上の制限であり、宅地建物取引業法重要事項説明の対象となっている。

管理組合総会

集会ともいう。

分譲マンションのような区分所有建物において、建物および敷地の管理に関する事項を決定するために、少なくとも年に1回以上開催される区分所有者の集会のこと。

区分所有建物では、区分所有者は管理組合の構成員となる。この区分所有者の全員が参加する意思決定機関が「集会」である。一般的には「管理組合総会」「管理組合集会」「総会」とも呼ばれるが、区分所有法では「集会」という名称を使用している。

区分所有法では、「管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない」と定めている(同法第34条第1項・第2項)。ここでいう管理者とは通常は、管理組合の理事長のことである。また年に1回以上定期的に開催される集会は、一般的には「通常総会」と呼ばれている。

このほかに、特定の議案を審議するために区分所有者の一定数以上の請求により臨時的に集会を開催することも可能であり、こうした集会は「臨時総会」と呼ばれている(区分所有法第34条第3項から第5項)。

集会を開催する場合、管理者(理事長)は、開催日より1週間以上前に、開催日時・開催場所・議案の概要を各区分所有者に通知する必要がある(区分所有法第35条)。ただし区分所有者全員が同意した場合に限り、こうした招集手続を省略することも可能である(区分所有法第36条)。

集会が開催されると、原則として管理者(理事長)が議長となり、あらかじめ通知された議案が審議される。議案を議決する方法としては、普通決議特別決議がある。

区分所有者は集会に自ら出席して、議案を審議するのが原則であるが、出席できない場合には、書面によって議決を行なうことができ、また代理人を選任して代理人を出席させることも可能である(区分所有法第39条第2項)。

書面による場合には、あらかじめ各議案についての賛成・反対の意見を表明した書面(議決権行使書という)を、管理者(理事長)に提出しておく。また代理人を選任する場合には、その代理人を選任したことを証明するための書面(委任状)を管理者(理事長)に提出する。

集会の議事の内容については、議長が議事録を作成しなければならない(区分所有法第42条)。この議事録は管理者(理事長)が保管し、関係者の請求があった時、管理者はいつでもこの議事録を閲覧させる必要がある(区分所有法第42条・第33条)。

このように集会は、区分所有者の最高の意思決定機関であるが、日常的な管理組合の運営については集会の下部機関として管理規約にもとづき「理事会」が組織されており、さまざまな業務を執行している。

管理者

管理者とは、分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者全員の代表者として、建物および敷地等の管理を実行する者のことである。

通常の場合、管理組合理事長がこの「管理者」である。マンション管理会社はここでいう「管理者」ではない(ただし管理者は必ずしも管理組合の理事長である必要はなく、区分所有者以外の第三者でもよい)。

管理者は、通常の場合、管理規約の定めに従って、管理組合の理事会において、理事の互選により選ばれる(ただし区分所有法(第25条)上は別の選任方法でもよい)。

管理者は、区分所有者全員の代表者として、集会で決議された事項を実行し、また管理規約において与えられた職務権限を行使することができる(区分所有法第26条)。

管理者の職務としては次のものを挙げることができる。

1.集会(管理組合の総会)の招集・議事運営・議事録作成 (区分所有法第34条・第41条・第42条)
2.管理規約の保管と閲覧への対応(区分所有法第33条)
3.義務違反者に対する訴訟の提起(区分所有法第57条から第60条)
4.そのほか管理規約・使用細則で管理者の職務とされた事項(理事会の運営・日常的な業務の執行など)

カーポート

屋根と柱のみで壁がない簡易な自動車車庫をいう。英語のCarport。

カーポートは、車庫と違い建物ではないが、青空駐車場と違って雨を避けることができる。

外構

建物の外に設ける工作物

門、塀・垣根、庭木などが該当し、敷地境界を形づくるとともに、建物の壁面などと一体となって敷地の景観や雰囲気を形成する。

なお、「外構」と「エクステリア」とは同じ意味である。

ガス給湯器

ガスにより瞬間的に湯を沸かし、台所・風呂などのへの給湯を行なうガス機器のこと。

給湯栓の蛇口を開くと同時に燃焼が始まり、水道の水圧を利用して給湯を行なう。
大きく分けて「ガス給湯器」「ガス風呂給湯器」の2種類がある。
また、浴槽の水を沸かす機能だけに特化したものは「風呂がま」と呼ばれる。

1.ガス給湯器
ガスの燃焼により瞬間的に湯を沸かし、台所・洗面台・風呂・シャワーの給湯栓まで湯を運び、給湯を行なう機器のこと。
かつては水温や通水量により湯温が変化するという問題があったが、近年では電子制御により火力をコントロールすることで安定した湯温が確保されている。

ガス給湯器の能力は号数で表示されている。この号数は「水温よりも25度だけ高温の湯を1分間に何L沸かすことができるか」を示したものである。一般的には4人家族の場合、24号またはそれ以上の号数のガス給湯器が推奨されている。

2.ガス風呂給湯器
台所・洗面台・風呂・シャワーへの給湯を行なうだけでなく、風呂の追いだき・沸かし直しという風呂がまの機能をも1台で兼ね備えた給湯器のこと。
追いだき時に給湯性能が低下することを防止するために、給湯用と追いだき用の2組の熱交換器を持ち、バーナーも別々になっているタイプが主流である。

ガス風呂給湯器の風呂の沸かし方については、湯はり・追いだきを自動的に行なうタイプ(オートタイプ)と、湯はり・追いだき・足し湯を自動で行なうタイプ(フルオートタイプ)という2種類がある。

なお、ガス風呂給湯器は設置場所により次の2タイプに分かれる。

1)自由タイプ
強制循環ポンプを備え、給湯器から離れた浴槽まで強制的に温水を送り出すもの。戸外に設置する。浴室に隣接して設置する必要がないため、間取りの自由さを確保しやすい。
2)浴室隣接タイプ
浴室に隣接した戸外に設置するもの。主に戸建て住宅で使用される。強制循環ポンプを備えたものと、強制循環ポンプがなく自然対流で浴槽に湯を送り出すものがある。

強制循環式のものは、ある程度設置場所を自由にすることができ、浴槽の高さと機器を設置する高さをある程度ずらすこともできる。
自然対流式では浴槽の高さと機器を設置する高さを合わせる必要があり、また水面に近い方から湯が出るために浴槽下部に冷水が溜まりやすいという面もある。

ガスレンジ

ガスを熱源とし、コンロとオーブン(天火)やグリル(焼き網)を組み合わせた調理器具。英語のGas range。

ガスレンジのコンロには、一般に複数のバーナーが付いている。また、ユニットキッチンに組み込まれる場合もある。

合筆登記

数筆の土地を合わせて、一筆の土地にするという登記のこと。

合筆登記がされた場合、従来の数筆の土地の登記記録は閉鎖され、閉鎖登記簿へ移行する。
なお合筆登記をするには、地目が違う土地同士の合筆はできない。
また、所有権の登記(所有権の保存の登記または所有権移転登記)がある土地と、所有権の登記がない土地との合筆登記もできない。

合併登記

別個の建物として別々の登記記録が存在している数個の建物を、一個の建物にまとめて登記記録を作る登記のこと。

がらり

細い板を斜めにして、水平方向に連続的にはめ込んだもの。
収納庫の扉などによく使用される。

元金均等返済

借入元金を毎期均等に返済する方法。毎期の支払い金額は、返済する元金に借入金残高に係る利息が加わることから、支払期が早いほど多く、遅くなるに従って少なくなる。

元金均等返済に対して、毎期の支払い金額が均等になるよう元金返済額を調整した方法が「元利均等返済」である。

支払わなければならない利息総額は、元金均等返済のほうが元利均等返済よりも小さくなる。

元利均等返済

借入金を毎返済期に同額で返済する方法。住宅ローンの返済において広く使われている方法である。

完済するまでの各返済期ごとに、返済する元金と支払う利息の合計額が一定となるように、元金の返済額を漸増するよう設定する。これに対して、各返済期ごとに元金を均等に返済することとし、残っている元金に対する利息を加えて支払う方法が「元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)」である。

元金均等返済に比べて、完済までに支払う利息の総額が多くなる。一方、元金均等返済では、早い返済期であるほど支払うべき利息が多くなるため、元金を加えた支払額も早期ほど大きくなる。

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

さ行

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

住宅インスペクション

既存住宅を対象に、構造の安全性や劣化の状況を把握するために行なう検査・調査をいう。日本語の「住宅」と英語のInspection(検査)を組み合わせた造語である。

住宅インスペクションは、目視等を中心とした現況把握のための検査、耐震診断等の破壊調査を含めた詳細な調査、性能向上等のための調査など、目的に応じて異なった内容で実施される。

既存住宅の売買に当たっては、現況把握のための検査が実施されるが、そのためのガイドラインとして「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(2013年、国土交通省)が公表されている。同ガイドラインの概要は次のとおりである。

1)インスペクションは、検査対象部位について、目視、計測を中心とした非破壊による検査を基本にして、構造耐力上の安全性、雨漏り・水漏れ、設備配管の日常生活上支障のある劣化等の劣化事象を把握する方法で行なう。
2)業務の受託時に契約内容等を検査の依頼人に説明し、検査結果を書面で依頼人に提出する。
3)検査を行なう者は、住宅の建築や劣化・不具合等に関する知識、検査の実施方法や判定に関する知識と経験が求められ、住宅の建築に関する一定の資格を有していることや実務経験を有していることが一つの目安になる。
4)公正な業務実施のために、客観性・中立性の確保(例えば、自らが売り主となる住宅についてはインスペクション業務を実施しないなど)、守秘義務などを遵守する。

また、建物状況調査における人材育成等による検査の質の確保・向上等を進めるため、「既存住宅状況調査方法基準」(2017年、国土交通省)が定められ、それに従ってインスペクションを実施するための「既存住宅状況調査技術者講習」が制度化された。

同基準は、既存住宅状況調査は既存住宅状況調査技術者講習を終了した建築士が行なうこと、調査は、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に係る調査として、調査対象住宅の構造に応じて規定する劣化事象等をそれぞれ定める方法により調査することなどを定めている。

なお、宅地建物取引業法に基づき、宅建業者は、1)既存住宅の媒介契約に当たって交付する書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しなければならず、2)重要事項説明に当たって、建物状況調査に実施の有無及びその結果の概要を説明しなければならないとされているが(2018年4月1日から適用)、この場合の建物状況調査は、建築士又は国土交通大臣が定める講習を終了した者が実施する者に限定されている。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

た行

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

は行

壁心

建物床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。

この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。

建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用しているということができる(建築基準法施行令2条1項3号)。

なお、この「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。

ら行

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。